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城主の住居・御殿

城と城主の屋敷が別の物であった室町以前とは違い、近世における城はその敷地内に御殿と呼ばれる城主の住居を備えていた。一階建ての平屋である殿舎や廊下を連結させるその構造から広大な敷地を必要とし、本来置かれるべき本丸ではなく二の丸や三の丸といった外郭部分に配置されることも多かった。その規模は1500坪程だったとされており、その構造は迷路のように複雑に入り組んだものだった。

用途によって使い分け

御殿は表と裏の二つに分けられており、それぞれ城主が政務を行う公邸と、休息に使う私邸の役割があり、その中には台所や寝室、茶室といった各施設から御殿で働く女中のための住居や役人の職場なども置かれていた。