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和中折衷の首里城

日本11番目の世界遺産に指定されているのが、沖縄那覇市にある首里城だ。14世紀ごろに建てられたとされるその城は琉球語ではグスクと呼ばれ、かつての琉球王国の中心として内政、外交、そして祭事を担っていた。太平洋戦争時には日本陸軍の第32軍総司令部が設置され、沖縄戦においては米軍による空襲の対象となり焼失。戦後もその姿は長らく失われたままであったが、近年の復元によりかつての形を取り戻している。

2つの国が織り交ざる

長年の統治において中国と日本からの影響を色濃く受けていた琉球王国だが、首里城の構造にもそれが見て取られる。正殿は一見すれば中国式の宮廷にも見えるが、その所々に日本の寺社に用いられるような建築様式や装飾が見え隠れする。中国からの使節を受け入れた北殿と薩摩藩との外交窓口であった南殿の違いなど、日本本土では見られない独特の様式が魅力的である。